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交流回路 小テスト4「四端子回路パラメータ・接続」対策
100点チェックリスト
2 [3つのパラメータの式]
☐ Z行列 を書ける
☐ Y行列 , と言える
☐ F行列 (出力の向き)を書ける
[相互変換]
☐ ZF: を導ける
☐ FZ: を使える
☐ ZY は逆行列で行き来できる
☐ の逆行列公式(,対角入替・非対角符号反転)を書ける
[接続則]
☐ 縦続(カスケード)=F の積
☐ 並列接続=Y の和(電圧を共有するから)
☐ 直列接続=Z の和(電流が共通だから)
[出力インピーダンス]
☐ を導出できる
☐ 直列 の を代入して を出せる
☐ 相反回路は , で検算できる
出題型の地図(この2題が出る)
| 型 | 何をする問題か | 使う道具 |
|---|---|---|
| 問1 変換・接続 | 逆L型(直列+並列)で ZF 変換式の導出,F行列,FZ,ZY(逆行列),並列接続の[Y],直列接続の[Z] | 道具1〜5 |
| 問2 出力インピーダンス | F行列から を導出,直列を代入,の極限 | 道具1・6 |
道具箱:これだけで全問解ける
道具1:3つのパラメータは「何を何で表すか」が違うだけ。
同じ四端子回路でも、入力・出力の電圧電流のどれを「原因」に選ぶかで3通りの行列表現がある。
Z と Y は電圧と電流を入れ替えた関係なので、(互いに逆行列)。 F は「出力側で入力側を表す」形で、 の向きは負荷へ出ていく向きにとるので が入る。
対角()を入れ替え、非対角()は符号反転、全体を で割る。 なので、 を先に出すのが第一歩。
| Z F | F Z |
相反回路では なので、FZ の (対称)。 どちらの向きも「分母が または 」と覚える(下段の導出は問1(1)で全部やる)。
| つなぎ方 | 操作 | なぜ? |
|---|---|---|
| 縦続(カスケード) | (積) | 前段の出力=後段の入力。行列を信号順に掛ける |
| 並列 | (和) | 両回路が同じ端子電圧を共有 電流が足し算 Y が加算 |
| 直列 | (和) | 両回路に同じ電流が流れる 電圧が足し算 Z が加算 |
**覚え方:**並列は電圧共通だから「電圧→電流」の Y を足す。直列は電流共通だから「電流→電圧」の Z を足す。 足す相手=共通でない量を出すパラメータ。
答えが出たら必ずこれで検算する。 や なら計算ミス。
道具6:出力インピーダンス とは。
入力側に電源の内部インピーダンス をつなぎ電源を殺した()状態で、 出力端子2–2 から回路側を見たインピーダンス。定義は (出力から回路へ電流を押し込む向き)。F行列を出力について解くと だけで書ける(問2(1))。
パラメータ・チートシート(暗記カード)
| 回路 | F行列 | 覚え方・検算 |
|---|---|---|
| 直列インピーダンス | 右上だけ 。電流は素通り。 | |
| 並列インピーダンス | 左下だけ (アドミタンス)。電圧は素通り | |
| 逆L型(直列+並列) | 直列並列の積。本番の問1の回路 |
接続の取り違えが最頻ミス。「並列なのに Z を足す」「直列なのに F を掛ける」は不可。 並列=Y の和、直列=Z の和、縦続=F の積。混ざったら道具4の「なぜ」(電圧共通か電流共通か)に戻る。 複素数は 、 のように逆数で の位置を必ず直す。
過去問 完全解説
問1 対象回路(逆L型:直列 + 並列 )
問1(出典: R7 前学期・小テスト4/交流回路 四端子回路/光本先生/7月9日(水)/電卓可・達成度目標 ケ)
右図の回路(直列にコイル 、その後に並列に抵抗 をつないだ逆L型四端子回路)について、 (1) Zパラメータを Fパラメータへ変換する式を導け。(2) この回路の F行列 を求めよ。 (3) (1)を利用して Z行列 を求めよ。(4) (3)を利用して Y行列 を求めよ。 (5) この回路を2つ並列接続したときの全体の を求めよ。 (6) この回路を2つ直列接続したときの全体の を求めよ。
(1) Zパラメータ Fパラメータの変換式
**方針:**Zパラメータの定義式は電流 が原因の形。 Fパラメータは出力 で入力 を表す形。だから Z の2式を「 を使って を書く」形に並べ替えるだけでよい。
**解法(全ステップ):**Zパラメータの定義は
Step 1. (b) を について解く。 より
F の下段 と見比べる。 の係数が なので
Step 2. Step 1 の を (a) に代入して を で書く。
の項と の項に整理する。
( とまとめた。) F の上段 と見比べて
( の分子は 。 の係数として現れるので符号が合う。)
分母は全部 。ここが変換式の核。 で 。 の定義で の向きを忘れると の符号を落とす。検算:この は 。 相反()なら 。
(2) この回路の F行列
**方針:**逆L型=「直列 」の後に「並列 」を縦続したもの。 縦続はF の積(道具4)。基本素子のF行列(チートシート)を信号順に掛ける。
解法:
行列の積(左上、右上、左下、右下):
掛ける順番は信号の流れる順(入力側が左)。逆にすると正L型になり別物。 コイルは必ず (実数 のままにしない)。次で使うので を覚えておく。
(3) (1)を利用して Z行列
方針:(1)は ZF だった。ここは逆にFZ(道具3の右列)。(2)で出た を入れる。
解法: なので 。相反だから 。
のように を掛けるのがコツ。 は相反なら分子が なので 。 物理的にも:出力開放()で入力から見ると と の直列 、 と一致する。
(4) (3)を利用して Y行列(逆行列)
方針:。道具2の 逆行列公式に (3) の を入れる。まず 。
解法:
逆行列公式(対角入替・非対角符号反転・ で割る):
各成分を約分する( など):
右下:。
逆行列は対角()を入れ替え、非対角にマイナスを付け、 で割る。 の が消えるところがヤマ。 と書いてもよい。 検算 (相反)。
(5) 2つ並列接続したときの全体
方針:並列接続は Y の和(道具4)。同じ回路を2つなので 。
**解法:**なぜ和になるか——並列だと両回路は同じ端子電圧 を共有し、 入力電流はそれぞれの枝を流れる電流の足し算になる。 なので、 同じ に対して電流が足されるということは が足される:
本問は だから
ここでZ を足してはいけない。並列は電圧共通だから Y の和。うっかり (3) の を2倍しないこと。 右下も両項を2倍:。
(6) 2つ直列接続したときの全体
方針:直列接続は Z の和(道具4)。。
**解法:**直列だと両回路に同じ電流 が流れ、端子電圧はそれぞれの電圧の足し算。 なので、同じ に対して電圧が足されるから が足される。よって
(5)は Y の和、(6)は Z の和。並列Y・直列Zを取り違えないのがこの問題の全て。 と両項に2。 で対称も保たれている。
問2 出力インピーダンス
問2(出典: R7 前学期・小テスト4/交流回路 四端子回路/光本先生)
Fパラメータが で表される四端子回路の入力側に電源インピーダンス を接続する。 (1) 右から見た出力インピーダンス を で表す式を導け。 (2) 左図(直列 だけの回路)の F行列 を求めよ。 (3) (2)の回路を(1)の四端子回路として用いたときの を求めよ。 (4) のとき はいくらか。
(1) の導出
方針: は出力端子 2–2 から回路を見たインピーダンス 。 F の定義式で入力 を出力で書けているので、入力端に付いた の関係 を代入して の比に持ち込む。
**解法(全ステップ):**F の定義( の向きに注意し で書く)
Step 1. 入力端の条件を入れる。入力側は電源を殺した だけなので、 入力端子から見ると と は で結ばれる。電流の向きをそろえると
( は回路へ入る向き、 にはその逆向きに電圧が立つので符号が付く)。
Step 2. Step 1 に上の2式を代入。
展開して で整理する。
Step 3. を作る。
(分母分子の符号は同時に扱う。ここでは負荷向き を分母に合わせている。)
形が有名:入力インピーダンスは 、 出力インピーダンスは と を入れ替えた 。 「入口は /出口は 」と覚える。導出では の向きと の符号が要。
(2) 直列 の F行列
**方針:**直列インピーダンス の基本型(チートシート)。定義(開放で、短絡で)でも同じ。
**解法:**直列だと電流素通り 、電圧は 。開放で 、短絡で 。
(3) (2)を(1)に代入
方針: を に入れるだけ。
解法:
直感チェック:出力端から見ると直列 とその向こうの が直列に見えるので 。 式と物理が一致していれば安心。 なので分母が になり計算が一気に楽。
(4) のとき
解法:(3)に を代入。
(入力を短絡)でも、出力から見れば直列 が残るので 。 一般式に0を代入するだけだが、物理像(入力短絡でも自分の は消えない)も答えられると強い。
ドリル(数値・条件を変えて練習)
ドリル(白紙で解いてから解説へ)
D1. 問1の に を入れて数値の を書け。
D2. D1 の から を求め、 を数値で求めよ。
D3. ある四端子回路の 。逆行列で を求めよ。
D4. の回路に を付けたときの を求めよ( も確認)。
D5. 直列 の回路を2つ縦続接続した全体の F行列を、行列の積で求めよ。
D6. 並列 の回路を2つ並列接続した全体の を求めよ( の和で)。
ドリル 全問解説
D1. を代入。
だけ複素数、他は 。(相反)。
D2.。逆行列公式で
、。よって
()に注意。
D3.。。 対角入替・非対角符号反転()。
D4. (相反)。
**D5.**直列 を2つ縦続=F の積。
右上が (直列2つが1つの に化ける)。縦続は積だが、この場合結果は「直列 」。
**D6.**並列 の は が左下…ではなく、並列単独素子の Y行列は 。並列接続=Y の和なので2つで
これは「並列 」(アドミタンス2倍)に等しい。物理的にも同じ を2つ並列=。
本番の進め方・見直しリスト
**解く順番。**問1は (1)変換式の導出(分母 )→ (2)F は直列並列の積 → (3)FZ() → (4)逆行列で Y()→ (5)並列は Y の和 → (6)直列は Z の和、と前の結果を使い回す一本道。 問2は (1) を代入して → (2)(3)(4)は代入。
見直しチェック: ☐ ZF の分母は全部 、 か ☐ 逆行列は対角入替・非対角符号反転・で割るを守ったか
☐ 並列=Y の和/直列=Z の和/縦続=F の積を取り違えていないか ☐ ( が消える)を出せたか
☐ 複素数の逆数 、 を正しく処理したか ☐ 相反 ・ で検算したか
☐ は の順(入力インピーダンスと が逆)になっているか ☐ 接続後の行列は両成分とも2倍したか
出典
(出典: 令和7年度 前学期・小テスト4/交流回路「四端子回路」/出題:光本真一先生/実施 7月9日(水)。 学年学科 4E・参照物件 電卓・達成度目標 ケ。問1(逆L型:直列+並列で ZF 変換式の導出・F行列・ FZ・ZY の逆行列・並列接続の・直列接続の)、問2(Fパラメータの出力インピーダンス ・直列の代入・)。 先輩提供の手書き答案(ACCircuits/materials/0701/S__32833546–549.jpg)の最終結果と本資料の結論はすべて一致。)