Skip to content

回路理論 小テスト4「過渡現象・ラプラス変換」対策

100点チェックリスト

2 [過渡現象]

☐  「定常解を求める方法」をフェーザ(と即答して説明できる

☐  非同次の式は全解=過渡解+定常解と分解できる

☐  過渡解=同次解 で消える)と言える

☐  定常解を分圧 から出せる

☐  初期条件 の根拠(電荷保存則)を書ける

☐   を最後に微分して電流に戻せる

[ラプラス変換]

☐  定義 を書ける

☐  線形性 を使える

☐  部分積分で導ける

☐  オイラーで導ける

☐  半角 を変換できる

☐   の上端が で消える理由を言える

出題型の地図(この6題が出る)

何をする問題か使う道具
問1 記述交流過渡の定常解の求め方を日本語で説明道具6・7(フェーザ)
問2 計算RC直列+正弦波の の全電流 (過渡+定常)道具6・7+電荷保存則
問4 記述ラプラス変換の定義式を示す道具1
問5 計算(部分積分)道具2
問6 計算(オイラー)道具3
問7 計算(半角+問6利用)道具4・5+問6

直前チェック:チートシート

線形性。定数・和は変換の外に出せる(問7の要)。

インピーダンス:, , オイラー:

正弦波電源の定常解は微分方程式を解かず のように代数計算だけで出る。 半角:

道具箱(苦手な人はここから:7つの道具で全問解ける)

道具1:ラプラス変換とは「 を掛けて で積分する翻訳機」。 時間 の関数 を、 の関数 に翻訳する。定義は

)は が大きいと急速に になる重りで、これを掛けてから積分するので、 が多少増えても積分が有限に収まる。微分方程式が の四則計算(代数)に化けるのがうれしさ。

道具2:部分積分 のように「多項式×」を積分するときに使う。微分すると簡単になる方()を 、 残り()を にとる。上端の は、)が の増加より速いので 。この「上端が消える」根拠を答案に一言書くと減点されない。

道具3: はオイラーで指数に直してから積分。 とすれば、あとは指数関数の積分

に落ちる(上端は で消え、下端 )。三角関数のまま部分積分を2回まわすより速く確実。

道具4: は半角で1次に落とす。 。2乗のままでは変換表に無いので、 まず定数+1次の の和に直してから道具5(線形性)で1項ずつ変換する。 なら

道具5:ラプラス変換は線形(和・定数倍がそのまま外に出る)。

積分が線形だからそのまま成り立つ。 とバラせるのはこの性質のおかげ。

道具6:電源が残る式(非同次)は「全解=過渡解+定常解」。

過渡解は右辺を にした同次式 を変数分離して得る(時定数 )。 定常解(特解)は道具7のフェーザで1つ見つければよい。未知定数 は最後に初期条件で決める。

道具7:正弦波の定常解はフェーザ(記号法)で代数的に出す。 「定常状態」とは過渡項が消えた後の状態。正弦波入力に対する定常応答も同じ角周波数 の正弦波なので、 微分方程式を解かずにインピーダンスで出せる。RC直列で の電圧なら分圧

大きさは 倍、位相は 遅れる。。 初期条件の根拠は電荷保存則 は急変しない: が有限なら は一瞬で飛べない)。

問1:交流過渡の「定常解の求め方」(記述)

問1(小テスト4 過去問・令和7年7月8日)

交流回路の過渡現象の問題で、定常解を求める方法を、日本語で説明すること。

方針: 交流過渡の全解は「過渡解+定常解」(道具6)。このうち定常解だけなら微分方程式を解く必要はなく、 フェーザ(記号法)で代数的に求まる(道具7)。その手順を言葉で述べる。

回路全体の合成インピーダンス を求め、交流電源の電圧をフェーザ で表して、

から電流フェーザを求める。必要なら分圧・分流で各素子の電圧・電流のフェーザを出し、 最後に瞬時値 に戻す。これが定常解である。

「なぜフェーザでよいのか」を一言添えると強い:全解=過渡解+定常解で、過渡解 で消えるから、十分時間が経った後(定常状態)に残るのは特解=正弦波定常解だけ。 正弦波定常応答は同じ の正弦波になるので、微分方程式を解かずインピーダンスの代数計算で出せる。

問2:RC直列+正弦波の全過渡電流

問2(小テスト4 過去問・令和7年7月8日)

図のように、電源 [V]、スイッチ 、抵抗 []、コンデンサ [F] を直列に接続する。 を ON した。初期電荷は 0 である。図のように をとるとき、 における を求めよ。

image

方針: これは定常解だけでなく過渡も含めた全電流を聞かれている(問1と違う点)。道具6にしたがって 「全解=過渡解+定常解」で組み立てる。電荷 で立式し()、定常解はフェーザ(道具7)、 過渡解は同次解、最後に初期電荷 0 で定数を決めてから微分して にする。

解法(全ステップ):

Step 1. 電荷 で回路方程式を立てる。 充電の向きに 。KVL より に代入して

右辺に電源が残る1階・非同次の式なので、全解=過渡解+定常解(道具6)。

Step 2. 定常解 をフェーザで出す(道具7)。 コンデンサ電圧の定常フェーザは分圧で

大きさは 倍、偏角は 。よって瞬時値の定常解は

Step 3. 過渡解 を同次式から出す。 右辺を にした を変数分離すると 、 積分して 、すなわち

Step 4. 全解を作り、初期条件 を決める。

電荷保存則より を使うと

ここで直角三角形(対辺 、隣辺 、斜辺 )から

したがって

Step 5. 微分して電流 にする。 )。よって

過渡項の係数を整理する: なので 。共通因子 をくくり出すと

  • 検算(初期値): だから、 の中は 、よって 。 物理的にも、初期電荷 0 なら 、電源も なので 。一致。

  • (容量性で電流は電圧より進む)。分圧の分母を のまま放置せず、 まで整理してから大きさ・偏角を読む。

  • 過渡項の符号に注意()。定常項の と過渡項がちょうど で打ち消して になる。

  • 単位 [A] を必ず付ける。答のみは不可なので、Step 1〜5 の過程(特にフェーザの分圧と電荷保存則)を答案に残す。

問4:ラプラス変換の定義(記述)

問4(小テスト4 過去問・令和7年7月8日)

ラプラス変換の定義式を示せ( を用いること)。

**方針:**道具1の定義をそのまま書く。積分区間・ の扱いを落とさない。

積分の下端は を扱う片側ラプラス変換)、上端は の符号(マイナス)を落とさない。 「」または「 で定義」の一言があると完璧。

問5:(部分積分)

問5(小テスト4 過去問・令和7年7月8日/答のみ不可)

をラプラス変換せよ。

方針:「多項式×」なので部分積分(道具2)。微分で簡単になる にとる。

解法: とすると

上端 では の増加より速いので 、下端 でも 。 第2項は

上端 0 になる理由()を一言書くのが採点ポイント。 一般に )。 から部分積分1回で 、もう1回で と積み上がる。

問6:(オイラー)

問6(小テスト4 過去問・令和7年7月8日/答のみ不可)

をラプラス変換せよ。

**方針:**三角関数はそのままだと積分が面倒。オイラーで指数に直す(道具3)と指数関数の積分2本になる。

解法: を代入し、線形性で2項に分ける。

各積分は (上端は で消え、下端 )。よって

分母は )。

分母は (プラス) なので になる——ここを とするのが定番ミス。 ついでに (分子が )。 から同様に出る。

問7:(半角+問6利用)

問7(小テスト4 過去問・令和7年7月8日/答のみ不可・前問利用可)

をラプラス変換せよ。

**方針:**2乗は変換表に無い。半角公式(道具4)で「定数+1次の 」に落とし、 線形性(道具5)で1項ずつ変換。 の項は問6を で利用

解法: 半角 を入れると なので

線形性で分けて、(問6で )。

の2倍角は )。 と早合点して にしないこと。 一つにまとめるなら通分して (どちらの形でも可)。

バリエーションドリル(本番で数値・条件を変えられたら)

ドリル(各自、白紙で解いてから下の解説へ)

  1. を定義から求めよ。

  2. をオイラーで求めよ。

  3. を部分積分で求めよ。

  4. を半角で求めよ。

  5. 起電力 (直流)、抵抗 、コイル の直列回路。 で S を ON、 を求めよ。

  6. 問2の に置き換えた RL直列+定常解 をフェーザで求めよ。

D1. で収束)。指数どうしは肩を足すだけ。

D2. より 。 分子がになる()。

D3.

D4. なので )との符号の違いに注意()。

D5.。定常解 、過渡解 。 全解 (磁束鎖交数保存則)を入れて

D6. の偏角が だから電流は遅れ

RC(進み )と RL(遅れ )の符号の対比が狙われる。

最後の見直しリスト(試験直前30秒)

  1. 定常解の求め方:(フェーザ)と即答。理由(過渡解は消える)を一言添える。

  2. 過渡+定常:非同次は全解=過渡解 +定常解(フェーザ)電荷保存則 で決める。

  3. 定義:。下端 ・上端 の符号を落とさない。

  4. :部分積分。上端 で消えるを書く。

  5. :分母はプラス にしない)。 は分子

  6. :半角の 。単位・ を最終確認。

(出典: 令和7年度 前学期 小テスト4「過渡現象・ラプラス変換」(回路理論・4E・出題:光本真一先生・7月8日(水)・電卓可・達成度目標 エオカキク)過去問の写し(CircuitTheory/materials/0701/S__32833542–545.jpg)。問1・問2・問4・問5・問6・問7 を収録(問3は写しに含まれず)。手書き解答の最終結果と本資料の結論はすべて一致。)